石田 華子(いしだ はなこ)さん
(生物システム応用化学府・博士前期課程生物機能システム科学専攻2年)
埼玉県立川越女子高校 2011年卒業 指導教員:石田 寛 先生
●参加学会:日本味と匂学会 (参加者 P-145) ●テーマ:「ザリガニの嗅覚探索行動時における顎脚の振り方の観察」
●内 容:水中の匂いは主に水流によって運ばれるため、流れの乏しい水 中では、遠方から匂いを感知することは非常に困難です。しか し、沼や池の底など流れの乏しい環境に適応したザリガニは、 自ら起こした流れを使って匂いを集め、餌を探すことができま す。この流れは、ザリガニが口元にある顎脚(がっきゃく)と 呼ばれる3対の付属肢を振ることによって作られます。今回、 餌を探しているザリガニの、顎脚を振ったタイミングを記録し ました。その結果、ザリガニが移動の方向に応じて、振る顎脚 を変えていることが分かりました。状況に応じて流れの方向を 変え、餌の探索に役立てている可能性があります。水中におけ る匂いの正体は化学物質です。ザリガニを模倣して、流れを使 って化学物質を効率良く集められるようになれば、漏れ出た化 学物質を辿って海底資源や不発機雷などを探し出す水中ロボッ トの開発に役立つことが期待されます。 |
●受賞日:2016年6月8日