● 科学なんでも相談室● No.5 【質問】 日焼け止めクリームは、どのように日焼けを防止しているのでしょうか。 【答え】 皮膚が紫外線を浴びると、皮膚表面の角質層が紫外線を跳ね返して、体内に入りこむ紫外線の量を少なくします。跳ね返しきれなかった紫外線は、皮膚内部のメラノサイトによって吸収されて、メラニンという物質が生成します。このメラニンが、皮膚の色が濃くなる「日焼け」の原因です。 この日焼けを防止するクリームの原理は二つあります。一つは、クリームに入っている「紫外線散乱剤(酸化チタンなど)」による「反射」です。もう一つは、「紫外線吸収剤(サリチル酸オクチルなど)」による「吸収」です。散乱剤は肌にのせる「膜」のようになって「白く浮き出てしまう」こと、吸収剤は肌となじみやすいため「敏感肌には適さない」ことがそれぞれ問題点でした。 しかし最近では成分の改良が進んで、問題点が少ないクリームが開発されています。これに関連した「肌(生体)に優しい材料」についての研究は、有機材料化学科の村上研究室で行われています。添付写真は、生体に優しい物質だけで作った医療用ゲルです。 |