No.23【質問】天気予報の解釈

2014/05/14 21:25 に www2 creator が投稿

【質問】

はじめまして、中学3年生の男子です。

天気予報を見ていて確率について疑問がでてきたので、
教えて下さい。

例えば1日の降水確率を4つに分けて
0
6時 30
6
12時 30
12
18時 30
18
24時 30
と予報された場合、
感覚としては「1日を通して晴れる可能性も高いな」と感じるのですが、
「晴れる確率70%が4回連続したとき、4回とも晴れ続ける確率」
で考えると、
0.7x0.7x0.7x0.7=0.24
つまり、一日晴れる確率は24%、降水確率は76%
となるかと思います。
そう考えると「1日晴れる」可能性はぐっと低くなると
思うのですが、感覚的にははそうではないように思います。
僕の計算方法は間違っているのでしょうか?
正しい計算方法があれば、教えて下さい。

【回答】

気象庁によれば、降水確率とは、「降水確率予報で確率60%といった場合、そのような予報を100回発表すると約60回で対象時間内に1mm以上の降水があり、約40回で1mm以上の降水がないことを意味しています。」とされています。降水確率は、過去に同じような気象状況となったときの降水の情報をもとに、統計処理により確率を計算するものです。ですから、6時間ごとの各区分で降水確率がすべて30%となっていたとしても、1日の予報としての降水確率は必ずしも数学的に計算した値にはなりません。過去の同じような気象条件の日の1日分のデータを基に、現在の気象状況をインプットしたとき、降水の確率がどのくらいとなるかを計算しなければなりません。もちろん6時間ごとの各区分における降水確率が30%であれば、1日のどこかでは雨が降るかもしれないと思うのは普通であり、1日中雨が降らない確率は70%より低くなりそうだという予想はできますが、それが何%となるかは各時間区分の確率の掛け合わせにはならないのです。

サイコロを振って12回続けて出る確率は1/6x1/61/36と計算されますが、実際に振ってみると10回や20回では必ずしもそうはなりません。多数回サイコロを振るとだんだんこの確率に近づきます。気象現象では、その現れに関係する要因が非常に多く、雨が降るか降らないかを決める条件は無数にあることは分かると思います。したがって、短時間の予報と長時間の予報が簡単な式で数学的につながらないことの方が多いと考えて下さい。

気象の解析は越境大気汚染の解析や、その影響を考えるときにも重要な基礎的情報を与えます。これに関連する研究は農学部環境資源科学科で行われています。

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