【質問】 こんにちは。高校一年の女子です。 例えば、卵や牛乳、小麦、そばなどと、アレルギーの人が多い食べ物があると思います。そういう食べ物は、何かアレルゲンと認識されやすいような構造を持つ物資を含む、などということがあるのですか。なぜアレルギーになりやすい食べ物が存在するのか、教えてください。よろしくお願いします。
【回答】 ご質問のように、加工食品等に使用する場合にアレルギーを起こしやすい食品として表示が義務化されている食材が7品目、表示が推奨されている食材が20品目あります。しかしながら、現在のところこれらの食品がなぜアレルギーを起こしやすいのかは良くわかっていません。上記の27品目は理屈ではなく経験によって選ばれています。 ただし、食品アレルギーを引き起こしやすい食品の目安はある程度わかっていて、アレルギーの原因(アレルゲンと呼ばれます)となるのはだいたい食品中に含まれる分子量が10,000から70,000くらいのタンパク質で、食品中に大量に含まれること、加熱や酸、消化酵素に対して安定であることなどが条件としてあげられます。と言っても、例外も多く、まだまだわからないことがたくさんあります。 上記の条件を満たすタンパク質の中にはいくつかのグループに分類される物が含まれており、同じグループに属するタンパク質は同じような構造を持っていますが、その構造がアレルギーを起こしやすいことと関係しているかどうかはわかりません。 また、アレルギー体質のヒトでもアレルギーを起こしやすい全ての食品に対してアレルギーを発症するわけではなく、何に対してアレルギーを起こすのかは個人個人によって異なりますが、その理由もわかりません。 結局のところ、本当にまだ良くわかっていないのですが、東京農工大学農学部の応用生物科学科では、食品アレルギーの発症メカニズムを研究して、このような疑問を解決することを目指した研究も行っています。 |